Underground /


5月に入りました。そしてGW。
ゆっくりと休暇を取っていらっしゃる方、「いやいや、仕事だよ」という方も
いらっしゃるでしょう。

記したいテーマはたくさんあるにも関わらず、更新が滞っているこのブログ。
「せめて1カ月に一度は」と思っていたのに、とうとう4月はひとつも記事を
書きませんでした。

実はツインズが今春から小学生になり、私も生活のペースが変わりました。
子どもの成長は、振り返ってみると本当に早いなと感じます。
彼らの成長、変化に合わせて、私も色んな刺激を受けながら、親としての成長も
促されているような気がしています。
河合隼雄さん、そして佳代先生も、
「(親が)子どもからもらうものは、どれほど深くて大きいか」というようなことを
述べられていましたが、本当にそうだなと思います。

深いレベルでの癒しを与えてくれる存在です・・・。

私は一時期、子供を授かることは無理なのかなと諦めかけていたことが
あるのですが、今となっては、産まれてきてくれるべき「時」に、
ちゃんと彼らと出会えたような気がしています。

ユングや河合隼雄さんは「時」についても述べられていますが、やはり私たちは、
「カイロス」という見えない時間においても、生かされているのだと感じます。



プライベートな話題はさておき、今日の本題です。

― ソクラテスの「無知の知」
― 孔子の「知るを知るとなし 知らざるを知らずとなす これ知るなり」


洋の東西に伝わる有名な格言です。

簡単に言うと、
「“知らないことを”知っている。」 という意味です。

でも、「自分にはまだまだ知らないことがあるなー」と謙遜することが大事。
というだけではない、これらの言葉にも奥深い意味が秘められているようです。
(格言とは、そもそも字義どおりに受け取るべきものではないような気がします)


賢者たちが述べたこれら「知る」の意味とは、
自我レベルでの知識や技術の習得度についてではなく、
自我の“私”では把握・説明しきれない何か大きなもの。
それをはっきりと認めるということを指しているのではないでしょうか。

深層心理学的にいえば、それは「自我と無意識」の関係性であり、
前回記事に書いた、「外界、内界における“地動説”をはっきりと認識する」
ということと、同じような意味なのではないかと、私には考えられます。


私たち人間が、全てを掌握しそれを意のままにコントロールできるとするのは、
やはり大変な傲慢であり、そのような考え方には危険な「落とし穴」が潜んでいると
思われます。

そして、それは見えにくい気づきにくい「落とし穴」だけに、
いつなんどき足を取られてしまうかは、非常に予測しにくいわけです。

見える景色にばかり目を取られていると、ある日突然、
隠されていた穴にストンと足を取られ、体ごと捉えられてしまうかもしれない。

「知っている」、見える空間にあるものだけが全てではない。
日頃は全く見えていない地下のような、「知らない」何かがあることを、
私たちは「知らなければならない」。

それをはっきりと自覚することこそ、
「無知の知」
「知るを知るとなし 知らざるを知らずとなす これ知るなり」
なのではないでしょうか。



もうひと月前になりますが、深夜たまたま目にしたテレビ番組がありました。
それは、3.11の大震災の約一年前に放送されていたらしい、
地震に関する番組の再放送でした。

その番組の終盤あたりで、
【メキシコ自治国立大学 シーナ・ロムニッツ名誉教授】が語られていた、
次の言葉が、とても印象に残りました。

「地震は毎回、姿かたちを変えて襲ってきます。
私たちは新たな震災に対して備えていかなければなりません。
大切なのは、自然の力に対して畏敬の念を抱き、
いつも謙虚さを忘れないことなのです。


『NHKスペシャル MEGAQUAKE 巨大地震 第三回「長周期地震動の脅威」』 
(NHK総合 4/1(日)AM0:30〜1:20)


地下や宇宙も含めた大自然という外側の世界にも、無意識という内側の世界にも、
我々には計り知れない未知の領域があるとまずは自覚し、
その自分より大きな何かに頭を垂れるような姿勢をどこかに持っておくことは、
やはりとても大切なことなのではないかと思います。

「無知の知」を常に意識しておくこと。
過去の東西の偉人たちが残した言葉に含まれるその深い意味に、
私たちは真正面から向き合わなければいけない時代に
来ているのかもしれません。


○●○●○●○●○

これは、河合隼雄さんがご自身の講義でも用いられておられたそうで、
お気に入りだったという絵本です。
私も子どもたちと一緒に読みました。

目の前を飛ぶチョウチョ取りに夢中で、背後から次々と迫り来る大きな存在に、
「ブタヤマさん」は全く気付いていません。
見えていないもの、意識できていないものを知ることは、
やはり簡単ではないのかもしれませんね・・・。

それにしても、「ブタヤマさん」のすぐ後ろに近づいている生き物たちは、
通常のそれと比べたらとてつもなく大きいのです。
「普通の生き物」ではない感じが、よく出ているなと思います。

ブタヤマさんたらブタヤマさん (えほんのもり 9)
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