
lily_bouquet./Nitis Florist
以前、ブログでご紹介させていただいたことのあるBさんから、先週、嬉しいご報告をいただきました。
Bさんは、辞職について迷われている中、キャリアカウンセリングをお受けになったのですが、
この度、見事、以前から興味のあった分野への転職を果たされたとのお知らせでした。
(以前ご紹介した、辞職に関する記事については、こちらをご覧下さい)
↓
・キャリア形成「辞職の決断」
・「行動変容」への起爆剤を手に入れる
Bさんにご承諾いただきましたので、その内容の一部について、
今日の記事としてご紹介させていただきます。
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「自分自身を大切にする」という事を学んだ気がします。
悩んでいた頃は、様々な事を考え過ぎて毎日が恐いくらいでしたが、
「もっと自分に優しくしてあげていいのだ」と気づかされました。
それは甘えではないのだと。
自分自身の内から出る感情に向き合ってあげる事、気付いてあげる事が出来るのは自分でしたし、
新しい歯車を回し始めるのも自分自身でした。
もしかすると、私は当時いた職場の集団から見ると「変わり者」だったかもしれません。
でも、自分を信じる事を諦めず勇気を持ち突き進んでみると、
共感、賛同、応援してくれる方々はそれ以上にいた事も、初めて目に見えて気付かされました。
誰かの意見や社会・・・様々な力に現実世界の毎日はごまかされ流されそうになるけど
例えば会社を「辞める」「辞めない」に対し、良い悪いや正解と間違えなど、
他人がレッテルを貼る事では決してないですし、
自分自身が心から納得した選択を、その人の人生だから応援したい、
これからは自分に対しても応援していこうと思っています。
最後に、私は田村さんとのセッションで
今回の転職に至る、初めの第一歩を踏み出せたきっかけだったと今あの日を思い出すと、
確信できます。
生きにくい世の中と言われる一方で
様々な考えを持っている人は沢山いる事や、オープンになっている事で
自分で目の前の世界を選んでいける自由もあるのではないかと感じます。
私は今、仕事も含め1日1日が楽しみでワクワクします。
どうもありがとうございます。
(原文ママ)
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Bさんは責任感が強く、だからこそ以前の職場でも周りを慮り、
なかなか「辞めたい」というご自身の本音を表に出せずに悩んでおられました。
「辞める」と決意されてもなお、自分の立場を考え、自分がいなくなった後の職場の事を考え、
辞意を伝えることが出来ぬまま、時間ばかりが過ぎてしまう。
心はその職場から離れているにもかかわらず、悶々とした日々を送っておられたのです。
でも、カウンセリングをお受けになり、自分の思いや感情に真正面から向き合ったことで、
「軸」を、周りからご自分に引き戻されたのではないでしょうか。
そして、
「もっと自分に優しくしてあげていいのだ、それは甘えではないのだ」と気づかれたのです。
以前、「夏目漱石の自己本位」について、このブログで書きましたが、
自己本位になるということは、決して自分勝手になることとは違います。
それは、痛みや罪悪感を分かっていながらきちんと背負う事も含め、
自らへの責任をしっかり持った上で、「自分に軸を据える」ということです。
私たちは、社会や組織の一員としての自分をかえりみるとき、どうしても周りの意見を尊重しがちです。
自分の意見や思いを抑え込んでも、周りに合わせる。
それは、組織が円滑に成り立っていくためには確かに大切なことで、
そういった「協調性」は、社会人として生きていくために、一般的に高く評価を受ける能力でもあります。
しかし、私はカウンセリングをしている中で、この「協調性」ゆえに、
(そこには責任感や優しさ、思いやりも含まれます)
ご自身を殺し苦しんでおられると、感じられる場面に遭遇することが少なからずあるのです。
河合隼雄先生も書かれていましたが、そもそも、
「自分を大切にしながら、同時に周りも大切にすることは難しい」わけです。
そこにはどうしても、「対立」が出てくるからです。
でも、その難しい事に正面から向き合い、自分なりにどうにかしていく。
そこをどうやっていくかということにこそ、その人の個性が表れるのであり、
決してマニュアルはありませんが、このようにして、
「自分なりの生き方」を進んでいくことこそ、ユング心理学では重要だといわれています。
Bさんはこの度、苦い思いや辛い体験を経た上で、新しい道に踏み出されました。
そして私たちにも、一人ひとりにそれぞれの道があるはずで、
ワークキャリアの形成においても、マニュアルなんて存在するはずがありません。
でも半面、Bさんが体現されたこと。
「自分自身を大切にする」
これは、誰しもが忘れてはならないことではないでしょうか。
今日は最後に、「自分に軸を据える」という視点で、twitterで見つけた名言を。
(ジョン・レノンの表現には、少し毒が交じっていますが、でも私の胸には、
何かストレートに迫ってくるものがありましたので、そのままご紹介します。)
・人の言うことは気にするな。「こうすれば、ああ言われるだろう…」
こんなくだらない感情のせいで、どれだけの人がやりたいこともできずに死んでいくのだろう。
(John Lennon)
・自分のしている事が、自分の目的になっていない程苦しい事はない。 (夏目漱石 行人)
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「抑え込んだ自分」は決して消え去りはしません。
それはあくまでも、抑え込んで表面から「見えなくしてしまった」だけのことです。
そしてそれが、“勝手なこと”をし始めたら、手に負えなくなることもあるのです・・・。


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