善の研究 (岩波文庫)
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日本を代表する哲学者である“西田幾多郎”の主著、『善の研究』



この作品に出会った経緯には、

実は自分でも“面白いなー”といういきさつがあるのですが、
それを書き始めると、とても私的な部分に触れることになってしまうので、
やはりブログでは“止めて”おきます。
(ニンジンだけぶらさげちゃってごめんなさい)


さて、ユングの何冊もの著作を読んだ上で、西田作品を開いてみると、
個人的には、とても興味深いと感じました。


もともとユングの思想は、幾人かの哲学者の影響も受けているのですが、(というより、ユングの考えを裏付けするような哲学が過去に存在したということです)
西田幾多郎の哲学とも、深いつながりがあるように私には感じられました。


宗教の意義についてだの、私たち人間のこころとか意識、

もっと言えば「真理」についてだの、表現の差こそあれ、

ふたりが言っていることにそれほど大差はないような気がします。



例えば、
ユングの言う「Self」と西田幾多郎の言う「神秘的或者」は同義であると思われます。

そして、これらはともに、

「直接に体験」できるものであり、偉大なる芸術的作品や思想、そして真の宗教心はその個人の体験より生まれる。
と語っている点や、
有名なユングの「シンクロニシティ(意味のある偶然の一致)」にも通じることを、
西田幾多郎は次のように記しています。


「宇宙の現象はいかに些細なる者であっても、
決して偶然に起り前後に全く何らの関係をもたぬものはない。
必ず起るべき理由を具して起るのである。
我らはこれを(ただの)偶然と見るのは単に知識の不足より来るのである。」

などなど・・・。



興味のある方は、二人の著書にぜひ直接目を通してみてください。

両者の考えに色んな共通項を見いだせて、楽しくなってくるかもしれません。

(同時代を世界の東西で生きた二人にみられるつながり。これもシンクロニシティ?)



最後に・・・。

ユングの命日:(1961年)6月6日
西田幾多郎の命日:(1945年)6月7日

と、日にちは1日違い。
この「つながり」もただの偶然ではないのかも?




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