
Reflection./d'n'c
子供の世界はもちろんのこと大人の世界でも、いわゆる「いじめ」問題は、特に私たち人間が作り出す集団という場においては、顕在化も潜在化も含めて、決して無視はできない要素だと思われます。
なぜいじめが起こるのか。
それはまず、当たり前ですがいじめる人がいるからです。
ではなぜその人は、自分を取り巻く他者の中の“ある人”をターゲットにして、その人を否定したり攻撃したりするのでしょう。
それは、その“ある人”に対して、何かしらの嫌悪感を持つから、そこに「イヤ」という感情が働くからですね。
では、なぜ「イヤ」だと思ってしまうのか。
今日の本題はここからです。
過去の記事にも書きましたが、私たちのこころの全領域とは、自分で認知できていない「無意識」という世界が、広大な広がりを持って存在しています。
(このブログはユング心理学理論を基礎に展開しています)
無意識内にあるこころの要素に、私たちは普段気づけていません。
しかし、この未知のこころの要素の中には、(知っている)自分の“意識”が否定したがっていたり、こんなものはないほうがいいと思っているネガティブなものもあります。
それがいわゆる影や劣等コンプレックスと呼ばれるものです。
(影についてはこちらの記事も→ 新しい自分へと変わるために2 )
これら、自分のこころにありながら否定しているものを他者に投げかけ、他人が持っているものとして排斥しようとする。
自分にはそんな嫌なところはないのだとごまかそうとする。
この無意識的なこころの働きを「投影」といいます。
だから、いじめのメカニズムには、「投影」が作用している場合があると考えられます。
私たちは集合的無意識でつながっていますので、この「投影」が、集団の中で相互に作用し始めると、大勢の人が一人の人を集中して攻撃したりという、攻撃される本人にとっては大きな苦痛を伴う現象も起こり得ます。
(「スケープゴート」と呼ばれるものです)
もし、いじめをしていた人が、「イヤだ」と思っていたのは相手の性質ではなく、自分のことだったのだと気づくことができ、その人に対する感情的な反発が収まれば、それは「投影を引き戻した」ということになり、もう無益な攻撃をすることはなくなるはずです。
する人も、されていた人も、無意味なエネルギーを使わなくて済むようになるのです。
(ただし、好き嫌いがあるのは、人間として自然な感情でもあります。
だから「イヤだ」と思うのが絶対にいけないこと、という意味ではありません。
それが「投影」の場合、そして無用ないじめにまで発展している場合には、注意が必要であるということです。)
「投影」というこころの働きがあると知れば、私たちそれぞれが自分の内側を見つめなおし、そこに隠されたままになっているものに気づいていくことは、自分自身にとってだけではなく、自然、周りの人たちへも影響を与えることにつながっていくのだということがよく分かります。
「投影の引き戻し」は、ユングのいう「個性化(自己実現)」の過程においても重要なステップの一つであり、私たちのこころの成長には欠かせないものともいえます。
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