(記事とは関係ありませんが、今日はクリスマスイブですね)
「ハートキャッチプリキュア」の“自分の影との対決”の物語。
前回記事からの続きです。
4人それぞれが、もう一人の影の自分から、
ネガティブだと感じていた自分自身、
そしてそれは過去の自分であり、もう関係がないと思っていた「私」を、
容赦なく突き付けられ、とまどいます。
でも、戸惑いながら影の私と戦ううちに、
その目を向けていなかった、否定しようとしていた自分を
受け入れ始めます。
そして、その影の自分と戦うことを止め、自分の手に、胸に抱きしめたとき、
もう一人の影の私は消え去り、最後の試練を乗り越えることができました。
「新しい自分」を、自分の力で創り出すことができたのです。
第37話で3人のプリキュア達が、影の自分を受け入れたときのセリフです。
キュアマリン:「マイナスのことを言う影の私も私なんだもん。
でもさ、あんた(影)のこと嫌いじゃないよ。
あたしって、自分のこと全部大好きだから。」
キュアサンシャイン:「(影へ)あなたが敵ではないから。
(中略)
私も全てを受け入れたい。
かつての頑なだった私も、好きなものに素直な私も、
両方とも大切な私。」
キュアムーンライト:「私は悲しみを背負って生きていく。
そして、いつかその悲しみを愛で包んで見せる。」
こうして、ブロッサムを除く3人は、戦いの部屋から出てきました。
影を受け入れることで、影との戦いに勝ったのです。
ただ、あと一人、ブロッサムだけがなかなか戻ってきません。
キュアムーンライトが、ブロッサムの祖母にこう尋ねます。
「この試練、乗り越えられなかったら、ブロッサムはどうなります?」
それに対して、過去、自身もプリキュアだった
キュアフラワー(祖母)はこう答えました。
「何も変わらないだけよ」
続いて、心理学的に見てとても大切だと思える、
次のセリフに続きます。
「最後の試練とは、自分自身を見つめることなの。
誰も本当の自分を知るのは不安だわ。
弱かったり、ちっぽけだったり、くだらなかったりしたら悲しくなる。
でも誰でも、変わることはできるの。
本当の自分から逃げないで、本当の自分を知るの。
それが自分の望まない姿でも受け入れなくちゃいけない。
そして自分で考えるの。
何をしたいのか。何をすればいいのか。
みんな悩んだり、苦しんで、絶望から光を見つけて、希望をつないできたの。
自分との戦いを乗り越えられるのは、自分だけ。
つぼみ(ブロッサム)が、自分で自分の心を成長させなくちゃいけないのよ。」
深層心理学的にみると、本当の自分には、
自我(意識)だけでは、なかなか気づくことができません。
前回記事に書いた、ユング心理学の“影”とは、
無意識内に存在しているものです。
じゃあ、本当の自分に出会うためにはどうすればいいのか。
私自身であれば、ユング派の教育分析を受けていることです。
そして、「カウンセリング」というのも結局、本当の自分に出会っていく場であり、
自分以外の別の人間(カウンセラー)と対話していく過程で、
自分自身を深く見つめていく作業を通して、
影も含めた知らなかった“本当の自分を知り”、
自分の可能性を広げていくことを目指すものだと、私は考えています。
キュアフラワーが言うとおり、影の自分なんかと戦わなくても、
それはただ、「何も変わらないだけ」なのかもしれません。
でも、例え大変な思いをしたとしても、
密かに存在している“影”を自分に統合することができれば、
それはもう暗いものではなく、肯定的な自分の一部となり、
新しい私として生きていくことを可能にしてくれるはずです。
“影”は自分が受け入れがたいと思っている、もう一人の自分なわけですから、
引っ込み思案だった人が、はっきりと自己主張できるようになったり、
内気で人見知りが激しかった人が、もっと楽に人間関係を築けるようになったりと、
自分という人間の幅を広げていくことにつながるんですね。
さて、一人だけ戻ってこないキュアブロッサムの、自分との戦いはまだ続いています。
そのお話は、また次回に・・・。
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今宵が素敵なクリスマスイブとなりますように。。。
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