前回に引き続き、今日も、私が過去に見たある夢をご紹介したいと思います。
『 (前略)
私は、大きな円筒形の建物の中に来ていた。
そこの壁は、一面がガラス張りで、外は360度広大な海が広がっている。
そして、その建物内の底は、低い水位の海水に浸かった海底の土で、
外の海とつながっていた。
その土が、マグマのように、“ボコッ、ボコッ”と大きな音を立てて、
何度も盛り上がっている。
その様子を、私は、その建物の管理人(男性)に案内されて、飛び込み板のような、
建物のかなり高い位置に張り出した場所から、一緒に眺めていた。
そして、その管理人は、
“最近、外の海が温暖化の影響を受けていて、そのためにココも、
こんなすごいことになっている。”
と説明してくれた。 』
この夢は、前回の記事でご紹介した、「氷山が溶ける夢」の、約2ヶ月後に見たものです。
この頃は、ちょうど佳代先生に分析を受け始めた時だったのですが、
今こうして思い返すと、(その時から現在の)現実の自分の状態と、
夢の内容が重なり合っていることがよく分かります。
では、この夢について少しご説明します。
まず、円筒形の建物内とは、私の「意識部分」を表しています。
そして、その外側をぐるりと取り囲んでいる、広大な海は、「無意識部分」です。
また、「夢に登場した管理人」は、私のこころの要素(人格)の一部です。
その管理人が説明してくれた、「外の海が温暖化の影響を受けていて」というのは、
前回の夢の「氷山が溶ける」というイメージと重なっています。
これは、どちらも“水”(=無意識)に何かしらの変化が表れているという解釈が出来ます。
そして、その「外側の海」の変化を受けて、
「円筒形の建物内の底」(=無意識とつながっている意識部分)にも、
変化が及んでいるということです。
その様子を、私は建物内の高い位置(これはたぶん、意識の中心部分である“自我”)から、
見ていたというわけです。
私はこの夢を見て、
ユングの提唱した「こころの構造」の理論は正しいと、個人的には強く感じました。
(ユングは、人間のこころでは、意識が占める領域の方がはるかに狭く、
無意識は無限に広がっているとしました。)
私の夢でも、“外側の海”は、どこまで続いているか分からないほど広く、
その果ては見えない(イメージの)ものでした。
そして、“夢の表現法”の独特のおもしろさにも、感動した記憶があります。
「あー、こんなふうに、“私の状態”を見せてくれるんだ」と・・・。
(内部の世界だけではありません。外部の現実部分に起こることも“見せて”くれます)
これらの夢を見て、今までを振り返ってみると、確かに私の“意識部分”にも大きな変化がありました。
まず、無意識の部分で大きな変化が起こり、その影響が、自分にも分かる意識部分に及んだのだと、
この夢から推察できるのです。
私は、自分がユング派の夢分析を受けることになったのも、
その“こころのワーク”をサポートしてくださる佳代先生に出会えたのも、
そして現在の自分が置かれている状況も含めて、
それらは、無意識が用意してくれた“プロセス”なのだと感じています。
ユングは、「意識は無意識から派生する」と述べていますが、
意識だけではない、私たちの“運命そのもの”も、
無意識はその大きな力でもってつかさどっているのだと、
自身が分析を受ける中で、つくづくと感じています。
(これはユングの理論でもあります)
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