心とこころを響かせて

ユング派の教育分析を受けるカウンセラーが、ユング心理学などをベースに「こころ」や「自己実現」などについて、自分の考えや思いを書き綴っています。

キャリアカウンセリング

「もっと自分に優しくしてあげていいのだ」

(Congratulations!)
lily_bouquet./Nitis Florist

以前、ブログでご紹介させていただいたことのあるBさんから、先週、嬉しいご報告をいただきました。

Bさんは、辞職について迷われている中、キャリアカウンセリングをお受けになったのですが、

この度、見事、以前から興味のあった分野への転職を果たされたとのお知らせでした。

(以前ご紹介した、辞職に関する記事については、こちらをご覧下さい)
         ↓
キャリア形成「辞職の決断」 

「行動変容」への起爆剤を手に入れる


Bさんにご承諾いただきましたので、その内容の一部について、

今日の記事としてご紹介させていただきます。


*****************************

「自分自身を大切にする」という事を学んだ気がします。

悩んでいた頃は、様々な事を考え過ぎて毎日が恐いくらいでしたが、
「もっと自分に優しくしてあげていいのだ」と気づかされました。
それは甘えではないのだと。

自分自身の内から出る感情に向き合ってあげる事、気付いてあげる事が出来るのは自分でしたし、
新しい歯車を回し始めるのも自分自身でした。

もしかすると、私は当時いた職場の集団から見ると「変わり者」だったかもしれません。

でも、自分を信じる事を諦めず勇気を持ち突き進んでみると、
共感、賛同、応援してくれる方々はそれ以上にいた事も、初めて目に見えて気付かされました。

誰かの意見や社会・・・様々な力に現実世界の毎日はごまかされ流されそうになるけど
例えば会社を「辞める」「辞めない」に対し、良い悪いや正解と間違えなど、
他人がレッテルを貼る事では決してないですし、
自分自身が心から納得した選択を、その人の人生だから応援したい、
これからは自分に対しても応援していこうと思っています。

最後に、私は田村さんとのセッションで
今回の転職に至る、初めの第一歩を踏み出せたきっかけだったと今あの日を思い出すと、
確信できます。

生きにくい世の中と言われる一方で
様々な考えを持っている人は沢山いる事や、オープンになっている事で
自分で目の前の世界を選んでいける自由もあるのではないかと感じます。
私は今、仕事も含め1日1日が楽しみでワクワクします。

どうもありがとうございます。

(原文ママ)

*****************************


Bさんは責任感が強く、だからこそ以前の職場でも周りを慮り、

なかなか「辞めたい」というご自身の本音を表に出せずに悩んでおられました。

「辞める」と決意されてもなお、自分の立場を考え、自分がいなくなった後の職場の事を考え、

辞意を伝えることが出来ぬまま、時間ばかりが過ぎてしまう。

心はその職場から離れているにもかかわらず、悶々とした日々を送っておられたのです。


でも、カウンセリングをお受けになり、自分の思いや感情に真正面から向き合ったことで、

「軸」を、周りからご自分に引き戻されたのではないでしょうか。

そして、

「もっと自分に優しくしてあげていいのだ、それは甘えではないのだ」と気づかれたのです。


以前、「夏目漱石の自己本位」について、このブログで書きましたが、

自己本位になるということは、決して自分勝手になることとは違います。

それは、痛みや罪悪感を分かっていながらきちんと背負う事も含め、

自らへの責任をしっかり持った上で、「自分に軸を据える」ということです。


私たちは、社会や組織の一員としての自分をかえりみるとき、どうしても周りの意見を尊重しがちです。

自分の意見や思いを抑え込んでも、周りに合わせる。

それは、組織が円滑に成り立っていくためには確かに大切なことで、

そういった「協調性」は、社会人として生きていくために、一般的に高く評価を受ける能力でもあります。


しかし、私はカウンセリングをしている中で、この「協調性」ゆえに、

(そこには責任感や優しさ、思いやりも含まれます)

ご自身を殺し苦しんでおられると、感じられる場面に遭遇することが少なからずあるのです。


河合隼雄先生も書かれていましたが、そもそも、

「自分を大切にしながら、同時に周りも大切にすることは難しい」わけです。

そこにはどうしても、「対立」が出てくるからです。

でも、その難しい事に正面から向き合い、自分なりにどうにかしていく。

そこをどうやっていくかということにこそ、その人の個性が表れるのであり、

決してマニュアルはありませんが、このようにして、

「自分なりの生き方」を進んでいくことこそ、ユング心理学では重要だといわれています。


Bさんはこの度、苦い思いや辛い体験を経た上で、新しい道に踏み出されました。

そして私たちにも、一人ひとりにそれぞれの道があるはずで、

ワークキャリアの形成においても、マニュアルなんて存在するはずがありません。

でも半面、Bさんが体現されたこと。

「自分自身を大切にする」 

これは、誰しもが忘れてはならないことではないでしょうか。



今日は最後に、「自分に軸を据える」という視点で、twitterで見つけた名言を。

(ジョン・レノンの表現には、少し毒が交じっていますが、でも私の胸には、
  何かストレートに迫ってくるものがありましたので、そのままご紹介します。)

・人の言うことは気にするな。「こうすれば、ああ言われるだろう…」 
  こんなくだらない感情のせいで、どれだけの人がやりたいこともできずに死んでいくのだろう。
                                                  (John Lennon)
 
・自分のしている事が、自分の目的になっていない程苦しい事はない。   (夏目漱石 行人)


○●○●○●○●○

「抑え込んだ自分」は決して消え去りはしません。

それはあくまでも、抑え込んで表面から「見えなくしてしまった」だけのことです。

そしてそれが、“勝手なこと”をし始めたら、手に負えなくなることもあるのです・・・。



        人気ブログランキングへにほんブログ村 ライフスタイルブログ 自分らしさへ

「行動変容」への起爆剤を手に入れる





前回記事でご紹介した、辞職の決断をされたBさん。


実は、カウンセリング後わずか数日で、

職場の上司に、きちんと辞職願をお伝えになられたそうです。


「カウンセリングを受けるまでは悩んだ末、連絡を取らせていただき、

セッションを受けさせていただいたのですが、

今、不思議と心を強く持てており、受ける前と今では、違う自分になれています。

そして、ちょうど昨日直々の上司に話をしたところでした。」


このようにご報告いただきました。



自分の本当の思いと取り巻く現状。


セッションを通して、これらを客観的に見つめなおしたことで、

それまで足踏みされていたことに対して、

“心を強く持ち”、

迅速に、望む行動を起こされたBさん。


それ自体変化のない状況(環境)であっても、

見方や考え方、いわゆる「捉え方」を変えることで、

私たちはBさんのように、自らの力で行動変容することが可能になるわけです。



私はただ、「カウンセラー」という立場で、お話をうかがっていただけです。

しかし、カウンセリングという非日常の空間で、

じっくりとご自身の気持ちに向き合ったからこそ、

Bさんは、一歩を踏み出す“起爆剤”を、自ら手に入れられたのだと思います。



“辞職”の2文字をいつもどこかに抱えながらも、

あまりにも忙しい毎日の中で、数年を過ごしてきてしまったと、

セッションでは語られていました。


しかし、この度、「避けられない出来事」が起こり、

詳細は前回の記事を

ご自分の本当の思いに、向き合わざるを得なくなった。

もう、自分の気持ちをごまかしながら続けていくことはできない。

ある意味、そこまで「追い込まれた」と言えるかもしれません。



でも、だからこそ、

“逃れられない転機”が、“新しい局面”が、

訪れたと考えることはできないでしょうか?



実は、「生涯キャリア発達理論」に分類される、

ナンシー・k・シュロスバーグ
の理論では、

「人生はさまざまな転機の連続から成り立っており、

それを乗り越える努力と工夫を通して、キャリアは形成され、開発される。」

とされています。

しかも、この転機

予期しない出来事」が重要であるとのこと。



シュロスバーグ以外にも、ハンセンの理論や、

それこそ、ユングの「コンステレーション(constellation)」も、

それらが意味するところが何なのかと、

個人的にはおもわず考えられずにはいられなくなります。



私たちはやはり、

「何か」(それは、ユング心理学では“無意識”となるわけですが)

に導かれながら、(自我では見えないけれど)

「進むべき道」を進んでいるのではないのかと・・・。




      人気ブログランキングへにほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ




キャリア形成 「辞職の決断」


Gerberas /
Katy


今日は、ご本人に承諾を得たうえで、
ある方の『ワークキャリア』にまつわるお話をご紹介したいと思います。


ワークキャリアに関するご相談でお越しいただいた20代の女性、
「Bさん」は、今の職場に勤めるようになって3年ほどになります。

そして、来年には昇進することが既に決定しており、
現在より責任の重い、職場を取りまとめるマネージャー的立場に就くとのこと。

しかし、Bさんご本人は、この昇進を前に、大きなプレッシャーと葛藤を抱えておられました。


自分の今までの業績を評価され、より大きな権限を持つことができるようになるにも関わらず、
Bさんが、昇進に「嬉しさとやりがい」より、「プレッシャーと葛藤」を感じておられるのには、
もちろん訳がありました。


連日、日にちが変わってから帰宅というサービス残業が続き、
夕食はいつも、深夜のコンビニで済ませるという毎日。
また、せっかくの休日にすら仕事が入るときがあり、
なかなか、「ゆっくりと仕事以外の自分の時間」を持つことが出来ない、
仕事漬けの3年間を、ずっと送ってこられていたのです。

そのオーバーワークに、就職後すぐに体調を崩し、様々な症状に悩まされ続けたとのことです。

そして、「いずれは辞めよう」というお気持ちを抱えながらも、その本心を出せないまま、
ずっと頑張り続けておられたのですが、そんな中、上司から「昇進」の話を伝えられ、
「今まで以上に忙しくなる。責任が重くなる。」ことが自明の理だと感じられた時、
「もうこれ以上、勤められない。辞職しよう。」と、決断されたとのことでした。


「しかし、重要なポストに就くことが決まっている中、辞意を伝えても、
会社側は全力で引き止めてくるだろうし、現実すぐに辞めることはできないだろう。
それを考えると、どのように辞意を伝えれば、会社側に納得してもらい、
スムーズに退職できるか、早く伝えたいという意思とは裏腹に迷っている。」
そのような思いを抱え、私とのセッションに臨まれたわけです。


そうして、未来への展望も含め、色々とお伺いしながら、
セッションもそろそろ終わりの時間となり、
私は、「では最後に、何か伝えておきたいこと、聞きたいことなど、ありませんか?」
と言うと、Bさんは、遠慮がちにこのように言われました。

「私、“軽い”でしょうか?」

こう言われて、一瞬私は何のことだか分からず、逆に聞き返してしまいました。

「えっ?“軽い”、ですか?」


Bさんは、3年間も激務に耐えてこられながら、それでもなお、
辞職を決意したご自身のことを、
「この自分の決断は、軽いのではないか?」と、気にされておられたのです。

“軽い”の意味が分かった時、私は、
「よくぞ今まで、3年間も頑張ってこられたと思います。」と思わず、
頭で考えるより先に、素直な思いを口にしてしまったのですが、
(この時の私は、Bさんの言葉に少しビックリしていたのです)
それを聞いたBさんは、何かのスイッチが入ったかのように、
涙を流され始めました。

それまで、整然とお話をされていたBさんが、
最後の場面で、抑えきれず流したその涙が、
Bさんの3年間の忍耐と思いを、全て表しているような気がしました・・・。



Bさんのお話をうかがって、
仕事に人生の大半の時間を奪われ、激務により体調まで崩しながら、
それでも、頑張り続けておられる方が、一体どれくらいいるのだろう、
と、改めて考えさせられました。

私も以前は、長らく組織に勤めていましたが、その時、
当時まだ20代だった同僚が、Bさんと同じように、
毎日毎日深夜まで仕事をして、家に帰るのは寝るだけという日々の中で、
「布団に入ると、悲しいわけでもないのに、なぜか涙がでてくることがある。
自分は何のために生きているんだろうと、思うことがある。」
と話していたことを、思い出しました。

一般的には、生きていくためには仕事をしなければならないですし、
そのために、職業を選ぶにしろ、実際の職場で勤めるにしろ、
そこに、自分の自由な意思や、選択権をどこまで持てるかは、
個人の条件によって様々だと思います。

そして現実問題、給料をもらい、組織という集団に勤めるということは、
何かしらの制約の中で、耐える場面が出てくるのは避けられないことだとも思います。

でも、その中で、どこまで“自分を見失わない”でいられるか。
「自分は何のために生きているんだろう」
「自分は何のためにこの仕事を続けているんだろう」
という、“本来の目的”を忘れてしまうような働き方をしてはいないだろうか。

時には立ち止まって、自分に深く問いかけることは、
限られた人生を送る中で、とても大切なことだと、
私は自身の経験も踏まえたうえで、そう思います。



ご自身の決断によって、大きな転機を迎えることになったBさん。

セッションの中では、今まで興味があっても手をつけられなかったこと、
辞職後に、自分の本当にやってみたいと思えること、
についても、お聞かせいただきました。

そして、そのことをお話になっている時のBさんの表情には、
未来へ向けての生き生きとした明るさがありました。


私も、数年前に長年勤めた職を離れ(私自身もその当時、迷いの中にいました)、
今振り返ると、その時が大きな転機だったなと感じています。

それぞれが、様々な形で迎えるこの「転機」。
キャリア発達理論においても、その意味について取り上げられています。


・・・では、この続きはまた次回に。



       人気ブログランキングへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ


Archives
記事検索
最新コメント
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

メッセージ

名前
メール
本文
My library
お勧め本と映画の紹介です

ブクログ
livedoor プロフィール
Ranking
ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ