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先日、NHKで放映された「追跡!A to Z 『広がる“新しい心の病”〜混乱する精神科医療〜』」

の番組を視聴しました。

内容は、薬の多量服用及び処方の仕方の危険性や、薬が効きにくい新型うつの増加、

薬の依存性など、精神医療の問題を浮き彫りにするものでした。


私は医師ではありませんし、薬の知識も持っていません。

しかし、「こころの世界」については、自身の体験や、ユング派分析家の佳代先生の教育分析を

受け続けていることで、少しは垣間見ることができていると思っています。

そして、心の問題については、それが目では見えない世界のものだけに、

それぞれ個人によって一つとして同じケースはないと言ってもいいぐらい多様で、

しかも、大抵は根深いものであると感じています。


番組では、あるクリニックが、薬の処方と並行して、医師やカウンセラーによる“対話”を取り入れ、

その人が抱える問題の根本(家族関係などの環境)に、じっくりと焦点を当て、

必要なサポートをすることで、ある患者さんの症状が緩和され、薬の量も減り、

社会復帰にまで至ったケースを紹介していました。


その患者さんは、

「カウンセリングと先生(医師)の治療を並行してやっていったことによって、

だんだん良くなっていったっていうのが実感です。

怪我とかそういう病気ではないので、心の病気なので、

薬だけ飲んで寝てれば治るっていうものでもないと思うんですよね。」

と、治療の体験談を語られていましたが、私も個人的にそのお話に深く共感しました。



私は、既に数十年前に亡くなった母が、統合失調症を患っていました。

その当時、まだ未成年だった私は、母の症状・・・、というより、

母が飲み込まれていた、こころの“無意識”の世界を、

ほとんど理解してあげることができませんでした。


しかしその当時、幻覚や幻聴に襲われていた母の世界がどんなものであったか、

わずかな自分の(不思議)体験、そしてユング心理学に出会い、

佳代先生の教育分析を受け始め、ユングの理論と、自分の無意識に向き合い始めたことで、

少なからず理解できるようになってきました。

他人からすると、“幻覚や幻聴”でも、

本人にとっては、それはまぎれもない「現実」だということが、やっと分かったのです。


もちろん、うつ病や統合失調症など、心の病気にはその症状に大きな差がありますが、

でもユングは、神経症などを始めとするいわゆる「心の病」は、

無意識からの作用であると言っています。

そして、その無意識とは、我々の自我でコントロールすることなどできない、

強大な別世界ともいえるものです。


だから、心の問題に「薬だけ」で対処して、

それで、どれだけの根本的な治癒的効果があるのだろうと、

私も少なからず疑問を感じていました。

もちろん、辛い症状を和らげる効果はあり、

薬も、治療の過程で大きな役割を果たすことは間違いないことだと思います。


でも、根本的な解決を目指そうとするとき、前述した患者さんが言われていたとおり、

「心の病気は、薬だけ飲んで寝てれば治るっていうものでもないと思うんですよね。」

という意見は、全くそのとおりであると、私も思わずにはいられません。



心の病を引き起こしている“根”が、どこにあるのか。

そこに焦点を当てない限り、やはり本当の治療はなかなか進まないのかもしれません。

そして、その“根”を見つけ、癒していく作業も、そんなに簡単なことではない。

「こころ」という、目には見えないものはそういうものであるというのが、私の実感です。



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