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共時性1
 の記事からあっという間にひと月が経ってしまいました・・・。


前回は、ユングのシンクロニシティのエピソードをご紹介しましたが、
今日は、日本人として、ユング派精神分析家の資格を初めて取得された、
河合隼雄先生の体験談です。


〜スイスのユング研究所では、もちろん幾度か試験を受けることになるのだが、
その試験官である(ユングの高弟である)フォン・フランツが厳しいことで有名なので、
「恐いな」と思っていた。

そうしたときに、「カラスが自分の肩の上にすばらしい宝石箱を背負って出てくる夢」を見た。

「これはなんやろ?」と、自身の分析家マイヤー博士に尋ねたところ、
「自分にも分らないが、せめてカラスのことでも調べておいたらどうか」と言われたので、
“カラス”についてものすごく調べた。
でも、調べてみても夢の意味はよく分からない。

ところが、フォン・フランツの口頭試験を受けてみたら、“カラス”が話の中心だった。
それで、
「ぼくは調べたことをワーッとしゃべったわけですよ、それで最高点をとった。」〜


おもしろいシンクロニシティですね。

“カラスが宝石箱を背負って出てきた夢”をきっかけにして、
河合先生は、厳しいフォン・フランツ女史の試験で、“最高点”を取れたのですから・・・。

夢の意味が分からないから、「とりあえず調べてみたらどうだ」とマイヤー博士に言われ、
調べていたことが、良い結果に結び付いた。
この一連の流れ・・・。

シンクロニシティとしてもですが、夢ってこんな感じで“知らせてくれる”ことがあるのだという、
分かりやすい例だと思います。


ここで少し私見をはさみますが、こうした夢のメッセージも、“見過ごして”しまっていたら、
せっかくの“宝石箱”も、ただの箱にしかならなかったと思うのです。

河合先生も、その夢に意識を向けてみたからこそ、現実の世界で“活かす”ことができたわけです。

だから我々は、そこ(夢)に意識を向けない限り、もしかしたら、
日夜送られてくる無意識からの大切なメッセージを、
どんどん取りこぼしてしまっているのかもしれません・・・。
(本当はみなさん夢を見ているのですから。覚えているかどうかの違いです。)

もちろん、どの夢も、こんな風に“分かりやすい結果”として出てくるとは限りませんが。


この河合先生のシンクロニシティ、実はまだ話が続きます・・・。

〜フォン・フランツ女史は、シンクロニシティの話がものすごく好きで、
でも、河合先生は「それが」いやだった。

でも、この一例は「ものすごい見事なシンクロニシティ」になっていて、
あんまりおもしろいから、やはり(フランツ女史に)言おうかなと思っていた。

そんな折、別の試験の時に、試験官であるフォン・フランツを図書室で待っていて、
ある本をぱっと開くと、

「中国の絵で、八咫烏(やたがらす)、太陽の中にいる三本足の烏、
それを猟師がねらっているところの絵が描いてあったのです。
そして、It is true,but pity you have said it.(それはほんとうだけど、言ったのは残念だ)
と書いてあったんです。
おもしろいですね。
だからフォン・フランツに言うのをやめたんです。」

これこそほんとにシンクロニシティ。
しかも、本をパッと開けたらその絵がピタッと出てきたんですよ。
しかもカラスでしょう。
あれは感激しました。

この一件により、その時には“伝えなかった”河合先生ですが、
さらにさらに、この次のフォン・フランツ女史の試験の時にも、
おもしろいシンクロニシティが起こったそうです。

だからそれも、あまりに不思議だったから、
「前はじつはこうやった」と、その時に、
カラスの夢の件も伝えたとのことです。〜


これを読んで、にわかには信じがたいと思われる方もいるかもしれませんが、
私は、このようなことは実際に起こるのだと思っています。

「実際に起こるから」
ユングもそれをシンクロニシティとして理論にしたのですし、
その理論に共感して支持する人も大勢いるのだと思います。


まだご紹介できるお話はありますが、今日はこのへんで。

〆も河合先生談で。

「ぼくはこのような傑作な話いっぱいあるんですけれども、
あんまり言うとみんな喜びすぎますからね。」

ぜひ、いっぱいご紹介いただきたかったなーと思います・・・。



(今日ご紹介したお話は、こちらに詳しく書かれています。)

未来への記憶―自伝の試み〈下〉 (岩波新書)
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